ビットコインマイニングは、その採算性において電力コストが重要な要素となります。(ビットコイン採掘には信じられないくらいの電力を使用します!)本記事では、ビットコインマイニング企業RIOT Platformsのユニークなビジネス戦略、特に電力コスト削減と効率化に焦点を当てています。RIOTは、革新的な電力戦略を展開し、ビットコイン採掘のコスト効率と収益性を最大化しています。
この記事では、RIOTの電力戦略の具体的な側面と、それがビットコイン採掘業界全体に与える影響について詳しく解説します。電力コストの管理がどのようにビットコインマイニング企業の収益性に大きく寄与するか、そしてRIOTがこの分野でどのように業界をリードしているかを、RIOTが2023年に報告した具体的なデータと事例を交えて掘り下げます。(参照:https://www.riotplatforms.com/overview/)
高騰する電気代への対応策
以下で上記グラフの解説をします。
- ERCOT South Hubの平均決済価格(青の線): このグラフは、ERCOT(Electric Reliability Council of Texasの略で、テキサス州の大部分の電力グリッドと市場を管理する独立系システム運営者) South Hubの平均決済価格(メガワット時あたりの価格)を示しています。これは、Riot Platformsがマイニングを実施している地域の電力市場価格の動向を反映しています。
- Riotの自己マイニング収益(オレンジの線): Riotのビットコインマイニングによる、1メガワット時あたりの収益が示されています。これは、日ごとに採掘されたビットコインの数、その日のビットコインの終値、および自己マイニングの電力消費量に基づいて計算されています。
- Riotの平均電力コスト(緑の線): Riotの微ットコインマイニングにかかった電気の、平均電力コストを表示しています。
このグラフから読み取れるのは、
RIOT Platformsが市場の平均よりも低いコストで電力を確保し、その結果、採掘事業の収益性を高めていることです。
ではRIOTはどのようにして、市場よりも安く電力を確保しているのでしょうか?
RIOTの電力クレジット戦略について
上記のスライドでは、RIOT Platformsがビットコインマイニング事業だけでなく、電力市場の両方で経済的な最大化を図っていることを示しています。
具体的には、以下の2つの主要な収益源が挙げられます:
- 電力クレジット:
- RIOT Platformsは、市場電力価格がビットコインマイニング収入よりも高い時に、運営を一時停止して電力を電力会社に返します。
- この際、市場電力価格とRiotの固定電力価格の差額に相当する電力クレジットをERCOTより受け取ります。
- 2023年第3四半期には、7月に570万ドル、8月に2,250万ドル、9月に1,030万ドルの電力クレジットを受け取っており、合計で3,850万ドルの収益がありました。
- 需要応答クレジット:
- RIOT Platformsは、ERCOTにRIOTの電力負荷を特定の時間帯に制御するオプションを売り込みます。
- これにより、ERCOTから需要応答クレジットとして報酬を受け取ります。これはERCOTが実際に電力をダウンさせるかどうかに関わらず受け取るものです。
- 7月に190万ドル、8月に700万ドル、9月に230万ドルの需要応答クレジットを受け取り、合計で1,110万ドルの収益がありました。
上記のような電力クレジットを設定していることにより、コア・サイエンティフィックが破産に至った原因の一つになっている電力費の高騰にも対応可能な戦略となっていることがわかりました。
RIOTの電力戦略から得られる知見
- 電力コストの管理が収益性に重要
ということです。このほかに、再生可能エネルギーの使用や、より安価な電気代の土地を利用するといった戦略のマイニング企業についても、今後まとめていきます。
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