ビットコインマイニング業界において、マイニング機器を最大限に活用することは、予想以上に複雑な課題となることがあります。
本ブログでは、RIOTとHUT8のマイニング機器の稼働率を示すRealization Rateが2023年には低かった理由を深掘りし、それがマイニング効率や収益性にどのような影響を及ぼしているのかを解析します。マイニングハードウェアの選定から運用戦略、さらにはマーケットの変動に至るまで、これらの企業が直面している課題とその背景に迫ります。マイニング業界における「未活用の潜在能力」に焦点を当て、RIOTとHUT8が直面している現実と、これからの展望を探ります。
RIOTとHUT8はどれだけ稼働率が低いのか?
2023年のRIOTとHUT8のマイニング機器の稼働率は、以下のデータから読み取ることができます。参考として、稼働率の高いクリーンスパークのデータも載せておきます。データを見ても分かるように、HUT8は2023年の稼働率がとても低く、50%程度の月も何回かあります。また、RIOTに関しても、安定して75%程度で、クリーンスパークのような企業と比べても稼働率は決して高くないです。
稼働率が低い場合の懸念すべき理由とは?
マイニング企業の稼働率が低いことに関して、個人的に最も懸念すべきだと思うのは、「稼働率が低いのは、採算に合わないマイニング機器(マイニングリグ)を多く所有しているから」という理由です。
つまり、1BTCを採掘するのに必要な電力が大きい(=採掘コストが高い)マイニング機器を使用しても、企業の利益は上がらないため、そもそも稼働をさせていないということが考えられます。
果たして、RIOTとHUT8の稼働率が低い本当の理由はなんなのか、より深く考察したいと思います。
稼働率が低い理由
RIOTの場合:
おそらく、電力クレジットおよび需要応答クレジットを得るため、電力使用タイミングを制御しているのでは?と推測されます。(=マイニング機器が古いわけではない。)
これに関しては、以下の関連記事を参考にしてください。
HUT8の場合:
①電気的な問題で、23年5月ごろは施設を85%程度止めていた。
コインデスクによると、
「カナダのHut 8 マイニング社は、アルバータ州ドラムヘラーのマイニング施設が、電気的な問題のために設定されたハッシュレートの15%で稼働しており、10~12週間で復旧する見込みであると5月9日に発表した。米ビットコイン社と業界で最も重要な合併の1つを進めているこの暗号資産マイニング企業は、3月に初めてこの問題を明らかにした。マイニングマシンへの「高いエネルギー入力レベル」が「機器の故障」を引き起こしており、エネルギー価格の高騰が「さらなる逆風」を生み出していると同社は述べている。Hut 8は電源の電圧を下げるファームウェアを導入し、機械の修理とスタッフの増員を図っている。」
とのことで、23年上半期は順調な採掘ができなかったよう。(9/30のHUT8からの報告でも、電気的な問題のせいでハッシュレートの27%しか稼働していないといっています。この問題は長引きすぎでは?)
②訴訟により、マイニング施設の運用がしばらく停止している。
コインテレグラフによると、
「Hut8はサードパーティのエネルギー供給業者ヴァリダス・パワーとの間で、契約義務を満たさなかったとされる訴訟を続けている。これを受け、ヴァリダス・パワー施設の運用は2022年11月以降停止している。」
とのことで、これが現在は解決したのかはちょっと調べる必要があります。
まとめ
RIOTは調整して稼働率を制御している印象がありましたが、HUT8はトラブルによって、稼働率が極端に下がっていたことがわかりました。このようにHUT8の施設にはリスクが存在することを認識する必要があるかもしれません。
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