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CLSK (クリーンスパーク)は、50EH/sを達成できるのか?

24年1月初旬にBTCマイニング企業クリーンスパーク($CLSK)がド派手に宣言したハッシュレート50EH/sは、果たして本当に実現するのか、この記事で考察していきます。

目次

そもそもハッシュレートとEH/sとは?

ハッシュレートとは?

ハッシュレートは、ビットコインを含む仮想通貨のマイニング(採掘)におけるマイニングマシンの計算処理能力を示す指標です。単位には「ハッシュ/秒(H/s)」が用いられ、1秒間にどれだけのハッシュ関数の計算が行えるかを表します。ここでいうハッシュ関数とは、データを特定の長さの一意の値(ハッシュ値)に変換する数学的な処理のことです。

EH/sとは?

ビットコインマイニングにおいて、ハッシュレートは非常に高い数値になるため、EH/s(エクサハッシュ/秒)という単位がよく使われます。1EH/sは、1秒間に1京(10181018)回のハッシュ関数の計算が行えることを意味します。EH/sは、マイニングネットワーク全体の計算能力が非常に高いことを示しており、ビットコインネットワークのセキュリティや健全性を保つ上で重要な役割を果たします。

つまり、EH/sが大きいほどBTCを採掘する能力が高いです。現在10EH/s程度のハッシュレートであるクリーンスパークは、その5倍となる50EH/sへの設備増強を宣言しました。

直近の各マイニング企業のハッシュレート。CLSKは10EH/s程度である。
https://pro.theminermag.com/overview

50EH/sへの増強プレスリリースの全貌

https://investors.cleanspark.com/news/news-details/2024/CleanSpark-Announces-Strategic-Agreement-for-up-to-160000-Bitmain-S21-Miners-Path-to-50-EHs/default.aspx

↑詳細は上記URLを確認ください。

  • CleanSpark Inc.の発表: アメリカのビットコインマイナー、CleanSpark Inc.は、最大160,000台のBitmain S21マイナーの購入を発表しました。これは、32EH/sに相当します。
  • 初期バッチの出荷 最初の12EH/sに相当する60,000台のユニットが、2024年の第2四半期(4月から6月)に出荷される予定です。
  • 戦略的コールオプション 合意には、1テラハッシュあたり$16の固定価格で追加の100,000台のS21sを購入する戦略的コールオプションが含まれています。
  • 次の強気市場への展開 CleanSparkは、次の強気市場への拡大と、次のサイクルにわたって固定価格でASICを確保し続けることを目指しています。
  • 50EH/sへの道 契約条件に基づき、CleanSparkは60,000台のユニットを購入し、年末までに追加の100,000台を購入するオプションを持っています。すべてのマシンが展開されると、CleanSparkのハッシュレートは約50EH/sに増加し、現在の10EH/sから400%増加することが期待されます。
  • 運用効率の向上 この戦略的合意により、CleanSparkの運用効率が向上し、将来の強気市場でマシン価格が3倍-5倍に増加することを期待しても、マシン価格の上昇のリスクに対するヘッジとして機能します。
  • S21モデルの選択 CleanSparkは、他のモデルや他のメーカーのユニットよりもS21モデルの性能を高く評価し、選択しました。S21は市場で最も効率的なビットコインマイニングマシンとされています。
  • 購入価格 最初の60,000台のユニットの購入価格は、1テラハッシュあたり$16.10で、割引とクーポン後の合計は$193.2百万です。追加の100,000台は、1テラハッシュあたり$16.00の固定価格で購入することができます。

注目すべきは、24年末時点で32EH/s(!)分のマイニング機器を揃えると宣言しており、その中でBTC価格上昇時特有のマシン価格高騰に備え、マイニング機器を固定価格で購入しようとしている点です。

1月上旬には値下げを続けていた$CLSKの株価も、BTC価格の上昇を受け2月には高騰を続けています。

結局”50EH/s”は実現可能なのか?

個人的には「実現可能だけど、この発表時点ではクリーンスパークはまだ機器を購入していないとも考えられる。この資金調達のため、株を希薄化して資金を集める(いわゆるATM offering)可能性がある。」のでは?と思っています。


ATM Offeringとは

ATM Offering(At-The-Market Offering)とは、企業が公開市場で自社株を直接売却することにより資金を調達する方法です。この方式では、企業は株式を市場価格で、時間をかけて少しずつ売り出すことができます。ATM Offeringは、特定の価格や時期を指定せずに、市場の状況に応じて柔軟に資金調達を行うことができるため、企業にとって有利な方法となり得ます。

ATM Offeringによる株価の下落リスク

  • 希薄化 ATM Offeringによって新しい株式が市場に放出されると、既存の株式の持分が希薄化されます。これは、一株当たりの利益(EPS)が減少し、理論的には株価が下がることを意味します。
  • 売り圧力 新株の市場への放出は売り圧力を生み出し、株価が下落する可能性があります。特に、市場がその追加株式の供給を吸収できない場合、株価の下落が顕著になる可能性があります。

まとめ

  • クリーンスパークは50EH/sを目指すとのプレスリリースを出した。
  • マイニング機器購入のための資金調達方法については現時点で不明瞭。
  • 追加の資金確保のためにATM offeringをする可能性もある。

いずれにしても50EH/sを目指すと公言するマイニング企業は他にはマラソン・デジタルホールディングス(MARA)くらいです。この採掘能力を手に入れた場合、米国のマイニング企業のトップに立つ可能性があるでしょう。

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